注文住宅を建てる時に土地の購入から考える場合は、注文住宅の総予算の割り振りで土地の割合と建物の割合をそれぞれ判断していく必要がありますが、この割合の配分に失敗するといい住環境は得られなくなってしまいます。というのも、日本は本来国土が狭いという風土から地価が高くなりやすい傾向があります。また伝統的にも土地の資産価値を美化する風習があることから、予算の比重をより土地のほうに傾ける方が多く見受けられます。これは、とにかくいい土地であることが重要で、いい土地さえあれば建物はそんなに予算をかけなくてもいい、という考え方が根底にあるのかもしれません。

しかし、今後の日本の人口は減少傾向にあります。このため、これまでみたいに土地は持っていれば値上がりするという見方は厳しくなる可能性があります。人口が減少するというのはその分これまでよりも買いたいと思う人自体が減少していくということなので、理論的にみても土地の資産価値は目減りするはずです。一方、建物のほうはどうかと言いますと、実際に住むのは家のほうなので住環境に与える影響は建物のほうがより大きくなる可能性があります。

日本は地震や火事で古来より家を失いやすいという傾向から建物そのものに対する資産価値が重視されることはあまりありませんでした。しかし最近では技術の進歩や法律の整備により建物の耐久性が向上したことから国家レベルで建物の資産価値を見直そうとする動きがあります。このようなことから注文住宅の予算配分としては、まず建物の予算を決めてから土地のほうに手を付けるようにしてください。